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○○町の○○○科クリニック。草津栗東医師会 医学クイズです。

医学クイズ 〜知識の泉〜medical info

informationQ.6


(正解)(3)

(1)×
 細菌やウイルスに感染してから発症するまでの時間(潜伏期間)はその種類によって異なります。例えば、黄色ブドウ球菌は1〜5時間、腸炎ビブリオ5〜40時間、ノロウイルスは20〜48時間、サルモネラは6〜48時間、カンピロバクターは2〜7日、出血性大腸菌O157は3〜9日程度とされています。
(2)×
 牛肉の場合、表面に腸管出血性大腸菌O157が付着していることがありますが、比較的熱に弱い菌であり、表面を焼くことで食中毒のリスクは低くなります。一方、ハンバーグはひき肉を丸めて作るため、内部に細菌が入り込んでしまう危険があり、中心部が生焼けの場合には注意が必要です。
(3)〇
 黄色ブドウ球菌は熱に弱い細菌ですが、食中毒に関係するのはこの菌がつくる「エンテロトキシ」ンという毒素です。この毒素が産生された食品を摂取すると、数時間で激しい嘔気・嘔吐や強い腹痛・下痢をきたしますが、死亡例はほとんどなく、通常1日か2日間で治ります。「エンテロトキシン」は、100度1時間の加熱で分解されず、120℃で20分間加熱処理しても完全に毒性が失われず、人体に危害を及ぼします。
(4)×
 ノロウイルスの感染は、そのほとんどが経口感染とされています。感染患者の便や吐瀉物、ノロウイルスに汚染された食品や井戸水、カキなどの二枚貝、などが原因の食中毒以外に、感染患者の咳やくしゃみから感染することもあります。
(5)×
 フグの内臓(特に肝臓や卵巣)には、高濃度の「テトロドトキシン」という毒素が含まれています。フグの食中毒は経過が早く、食後20分〜3時間程度で唇や舌のしびれが始まり、重症の場合には呼吸困難で死亡することがあります。