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○○町の○○○科クリニック。草津栗東医師会 医学クイズです。

医学クイズ 〜知識の泉〜medical info

informationQ.15


(正解)(5)
@〇 PTSDという呼称は、1980年、米国の精神医学会の診断基準で初めて用いられたもので、従来、「外傷神経症」や「災害神経症」と呼ばれてきたものです。日本で注目されるようになったのは、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が同時期に起きたことがきっかけのようです。
A〇 PTSDは、生死にかかわるような危険を体験したり目撃したりすることで発症します。大規模な災害、交通事故、性的暴行や犯罪の被害、戦闘の体験、DV(家庭内暴力)、虐待、などの心の傷となる出来事を体験した人や目撃した人の多くに、心的外傷後ストレス障害が生じます。少なくとも8%の人が発症すると考えられています。
B〇 PTSDの症状が生じたとしても、全てが慢性化するわけではなく、そのほとんどは1〜2カ月のうちに自然に治癒し、数カ月経てば6〜7割の人に自然回復が期待できるとされています。
C〇 「遅発型 PTSD」は、衝撃的出来事からかなりの時間が経過して忘れかけた頃(または完全に忘れた頃)、当時の状況を思い出させるような音や光、風景、物体などに暴露されると、その時と同じ衝撃的出来事を再体験することがあります(フラッシュバック)。また、受傷体験に関係した悪夢を繰り返し見るようになり、不眠症の原因となります。また、何とも言えないような不安感や虚脱感に襲われたり、発端になった出来事を全く思い出せないこともあります。 
D× 抗うつ薬が著効するというわけではありませんが、少しは効果があるようです。SSRIや三環系抗うつ薬、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬などは比較的有用とされています。