ワクチンと感染症のミニ知識

ヒブワクチン

Hib(ヒブ)感染症の概要

インフルエンザ菌b型(Hib、ヒブ)という細菌が原因です。

咳、くしゃみ、会話などで生じる、菌を含んだ飛沫を吸い込むことで感染します。

感染しても症状の出ないことが多いのですが、ヒブが血液の中に入り込むと、髄膜炎、肺炎、敗血症、化膿性関節炎、骨髄炎などの、重い感染症を起こす場合があります。5歳未満で症状を出すことが多いと知られています。

症状の出はじめは、発熱・嘔吐・けいれんなどで特徴がないため、診断が困難です。特に髄膜炎をおこすと、治療の効果が出ないことも多く、致死率は約5%、難聴・発達障害・てんかんなどの後遺症の残ることが約25%です。

草津市・栗東市でのワクチン接種方法

乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(Hibワクチン)をもちいます。

生後2か月~7か月になる1日前までに接種を開始します。

1歳の誕生日の1日前までの間に27日以上あけて(標準的には56日まで)3回を接種(初回接種)します。初回接種(3回目)後、7か月以上あけて(標準的には13か月まで)追加接種を1回接種します。

  • (*)接種開始が遅くなった場合や、接種間隔がずれた場合も、きめられた接種方法がありますので、医療機関で相談しましょう。
  • (*)定期接種対象年齢は、生後2か月~生後60か月に至るまでとされています。

ワクチンの副反応

接種部位の発赤、腫脹、しこり、痛みなど。全身反応として発熱、不機嫌、不眠など。

小児の肺炎球菌ワクチン

小児の肺炎球菌感染症の概要

肺炎球菌という細菌が原因です。

咳、くしゃみ、会話などで生じる、菌を含んだ飛沫を吸い込むことで感染します。

感染しても症状がないままに菌を保有していることが多く、集団生活が始まるとほとんどの子どもが持っているといわれています。この菌が何らかのきっかけで体内に侵入すると、髄膜炎、菌血症、敗血症、肺炎、中耳炎などの重い感染症を起こす場合があります。

そのほとんどが5歳未満で発生し注意が必要です。

特に髄膜炎をきたした場合には2%の子どもが亡くなり、生存した子どもの10%に難聴、精神発達遅滞、てんかんなどの重い後遺症を残すと言われています。

草津市・栗東市でのワクチン接種方法

沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(小児用肺炎球菌ワクチン)をもちいます。

生後2か月~7か月になる1日前までに接種を開始します。

2歳の誕生日の1日前までの間に(標準的には生後12か月までに)27日以上あけて3回を接種(初回接種)。初回接種(3回目)後、60日以上の間隔をあけ、かつ1歳の誕生日の1日前以降に追加接種を1回接種します。(標準的な接種期間は生後12か月から生後15か月)。ただし、初回2回目の接種が生後12か月を越えた場合、初回接種3回目の接種は行いません。

  • (*)接種開始が遅くなった場合や、接種間隔がずれた場合も、きめられた接種方法がありますので、医療機関で相談しましょう。
  • (*)定期接種対象年齢は、生後2か月~生後60か月に至るまでとされています。
  • (*)23価肺炎球菌多糖体ワクチンは、乳幼児の定期接種には用いません。

ワクチンの副反応

接種部位の腫脹、紅斑、しこりなど。全身反応として発熱、傾眠、泣きやすいなど。

4種混合(DPT-IPV)ワクチン

ジフテリア(Diphtheria)の概要

ジフテリア菌という細菌が原因です。

咳、くしゃみ、会話などで生じる、菌を含んだ飛沫を吸い込むことで感染します。

菌がのどや鼻などの気道に感染して毒素を放出します。発熱、犬のほえるような咳、声がすれ、頭痛、嘔吐などが主な症状です。心筋炎や神経麻痺が生じる場合もあります。5歳以下や40歳以上では重症になりやすく、最大で20%の方がなくなってしまうと言われています。

百日せき(Pertussis)の概要

百日せき菌という細菌が原因です。

咳、くしゃみ、会話などで生じる、菌を含んだ飛沫を吸い込むことで感染します。

咳や鼻水などの普通の風邪の症状で始まり、しだいに特有の激しい咳の発作があらわれます。1歳以下の乳児、とくに生後6ヵ月以下の子どもでは、咳のために呼吸ができなくなり、全身が青紫色になってしまうこと(チアノーゼ)やけいれんを起こすことがあります。窒息や肺炎等の合併症が致命的となる場合があります。脳炎をおこすこともあります。

破傷風(Tetanus)の概要

破傷風菌という細菌が原因です。

菌は土壌の中に広くひそんでいて、傷口からヒトの体内に侵入します。

感染した菌が毒素を産生して、さまざまな神経に作用します。口唇や手足のしびれ、口が開き難いなどの症状に始まり、その後に全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたりします。症状の重い場合は呼吸筋の麻痺により窒息死することがあります。約30%の高い死亡率が報告されています。

急性灰白髄炎(ポリオ、Poliomyelitis)の概要

ポリオウイルスというウイルスが原因です。

感染したヒトの便中に排泄されたウイルスが手につき、口から感染します。

感染しても多くは無症状ですが、約5~10%に発熱、頭痛、咽頭痛などの軽い上気道炎症状や悪心、嘔吐などの胃腸炎症状があらわれます。感染者の1000~2000人に一人に手足の筋肉や呼吸する筋肉等に作用して麻痺を生じることがあります。永続的な後遺症を残すことや呼吸麻痺で亡くなることもあります。子どもがかかることが多かったので「小児まひ」とも呼ばれます。

草津市・栗東市でのワクチン接種方法

沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオワクチンをもちいます。

生後3か月から接種を開始します。

生後3か月~1歳になる1日前までの間に20日以上あけて(標準的には56日まで)3回を接種(初回接種)します。初回接種(3回目)後、6か月以上あけて(12~18か月後が望ましい)追加接種を1回接種します。

  • (*)定期接種対象年齢は、生後3か月~7歳6か月になる1日前までとされています。

ワクチンの副反応

接種部位の紅斑、腫脹、しこりなど。全身反応として発熱、気分変化、下痢、発疹など。

BCGワクチン

結核の概要

結核菌という細菌が原因です。

咳、くしゃみ、会話などで生じる、菌を含む小さな飛沫核を吸い込むことで感染します。

結核菌が肺の内部で増えて、咳、痰、発熱などの風邪と同じような症状ですが、治療には半年以上かかってしまいます。肺以外の臓器にも拡がり、腎臓、リンパ節、骨、脳など全身のどこにでも影響が及ぶことがあります。小児では症状が現れにくく、重篤な結核につながりやすいため、注意が必要です。髄膜炎を発症してしまった場合は、重い後遺症を残したり、亡くなることもあります。

草津市・栗東市でのワクチン接種方法

乾燥BCGワクチンをもちいます。

生後5か月~8か月になる1日前までの間が望ましい接種期間です。1回接種します。

  • (*)定期接種対象年齢は、1歳になる1日前までとされています。

ワクチンの副反応

接種部位の発赤、腫脹、かさぶたなど。わきの下のリンパ節が腫れることもあります。

接種2~4週後に接種部位が赤くなったり、うみが出たりするのは異常反応ではないことがほとんどですが、治る様子のないときや広がるときは受診しましょう。

参考文献

  • 草津市・栗東市 子どもの予防接種(個別) 平成27年度実施の手引き
  • 予防接種ガイドライン 2015年度版:予防接種ガイドライン等検討委員会
  • 予防接種に関するQ&A集:日本ワクチン産業協会
  • ワクチンの基礎知識:北里大学 北里生命科学研究所 監修
  • 厚生労働省ホームページ

麻しん風しん混合(MR)ワクチン

麻しん(Measles)感染症の概要

麻しんウイルスというウイルスが原因です。「はしか」とも呼ばれます。

咳、くしゃみ、会話などで生じる、ウイルスを含む小さな飛沫核を吸い込むことで感染します。感染力は強く、空気感染します。

約10~12日の潜伏期のあとに、鼻汁・咳・結膜充血・38度以上の発熱などが出現します。数日していったん解熱しかかりますが、間もなく再び高熱となり、全身性の発疹が現われます。感染してから約1か月間は免疫が低下するため、二次感染や肺炎・中耳炎などの合併症がおこりやすい。脳炎が合併すると、25%に後遺症を残し、死亡率は15%とされています。

風しん(Rubella)感染症の概要

風しんウイルスというウイルスが原因です。「三日はしか」とも呼ばれます。

咳、くしゃみ、会話などで生じる、ウイルスを含む飛沫を吸い込むことで感染します。

約2~3週間の潜伏期のあとに、発熱・発疹・リンパ節腫脹などの症状が出ます。15~30%に不顕性感染があります。まれですが、紫斑病や脳炎の合併症があります。風しんウイルスに対する免疫が不十分な妊婦が妊娠初期に感染すると、流産や先天性風しん症候群(心臓病、難聴、白内障など)の赤ちゃんの生まれる原因になります。

未接種者の多い年代での流行があります。未接種の場合は成人でも積極的なワクチン接種をすることが望まれます。

草津市・栗東市でのワクチン接種方法

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン(MR混合ワクチン)をもちいます。
(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチンをそれぞれ単体で用いることもあります。)

1歳になったら接種を開始します(計2回)。
1回目(1期):生後12か月~24か月になる1日前までの間。
2回目(2期):年長児(小学校就学前の1年間)に4月1日から3月31日まで実施。

ワクチンの副反応

接種部位の腫脹、紅斑など。全身反応として発熱、発疹など。

水痘ワクチン

水痘の概要

水痘・帯状疱疹ウイルスというウイルスが原因です。「みずぼうそう」とも呼ばれます。

咳、くしゃみ、会話などで生じる、ウイルスを含む小さな飛沫核を吸い込むことで感染します。感染力は強く、空気感染します。

約14日の潜伏期のあとに、発熱と、水泡を伴う紅色の発疹が全身にできます。健康な小児の場合は一般には軽症に経過します。発疹部分をひっかくと、皮膚の細菌性の2次感染をおこすことがよくあります。稀ですが、肺炎や小脳炎などの合併症があります。免疫の低下しているときに感染すると、重症になることがあります。妊婦が発症すると、赤ちゃんにも重い症状の出ることがあります。

草津市・栗東市でのワクチン接種方法

乾燥弱毒生水痘ワクチンをもちいます。

1歳の誕生日の1日前から3歳の誕生日の1日前までの間に3か月以上の間をあけて2回を接種します。標準的な接種のしかたは、

1回目(初回):1歳~1歳3か月になる1日前。

2回目(追加):初回接種から6か月~12か月になる1日前。

  • (*)定期接種対象年齢は、1歳~3歳になる1日前までとされています。

ワクチンの副反応

接種部位の腫脹、紅斑など。全身反応として発熱、発疹など。

日本脳炎ワクチン

日本脳炎の概要

日本脳炎ウイルスというウイルスが原因です。

日本脳炎ウイルスに感染したブタの体内でウイルスが多量に産生され、それを吸血した蚊に刺されることによってヒトに感染します。

日本脳炎ウイルスに感染した場合、2~15日の潜伏期のあとに、数百人に1人が発症し、高熱・頭痛・意識障害・けいれんなどをきたします。致死率は20~40%で、精神神経学的後遺症は生存者の45~70%に残るとされています。最近は毎年10人以下程度が西日本を中心に発症しています。

草津市・栗東市でのワクチン接種方法

乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンをもちいます。

標準的には3歳になったら接種を開始します(計4回)。

3~4歳になる1日前までの間に6日以上(標準的には28日まで)あけて2回を接種(1期初回)します。4~5歳になる1日前までの間で、且つ2回接種後6か月以上(標準的にはおおむね1年)あけて3回目の接種(1期追加)をします。9~10歳の小学4年生の間に4回目の接種(2期)をします。

  • (*)定期接種対象年齢は、1期(計3回)は生後6か月~7歳6か月になる1日前まで、2期(1回)は9~13歳未満とされています。
  • (*)望ましい接種期間は3歳からですが、環境により、生後6か月から接種できます。
  • (*)平成7年4月2日~平成19年4月1日生まれの人は、20歳未満までの間いつでも接種ができます(接種を勧めなかった時期があるため。)かかりつけで相談しましょう。

ワクチンの副反応

接種部位の腫脹、かゆみ、紅斑など。全身反応として発熱、じんましん、発疹など。

ジフテリア破傷風混合(DT)トキソイド

ジフテリア、破傷風の概要

4種混合ワクチンの項をご覧ください。

草津市・栗東市でのワクチン接種方法

①明らかに百日咳にり患した人や、②4種混合(DPT-IPV)ワクチン接種の基礎免疫に続く2期として用いられます。
沈降ジフテリア破傷風混合トキソイドをもちいます。

①の場合:生後3か月から1歳になる1日前までの間に20日以上あけて(標準的には56日まで)2回を接種(1期初回)します。2回目接種後、6か月以上あけて(12~18か月後が望ましい)追加接種(1期追加)を1回接種します。

①②ともに:2期接種として11~12歳の小学6年生のあいだに、1回接種します。

  • (*)2期としての定期接種対象年齢は、11歳~13歳未満とされています。

ワクチンの副反応

接種部位の紅斑、腫脹、しこりなど。全身反応として発熱など。